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14 janvier 2007 

Camus ? connais pas:films

柳町光男監督の『カミュなんて知らない』を観た。
予告編を劇場で観ていたので、スピーディな展開のサスペンス的な作品かと思っていたら、なんだかゆるいようなイマイチ緊張感が欠けている作品だった。強いて言うならこの映画、巨匠監督へのオマージュをコラージュにした作品だろうか。あるいはパロディをモザイクにしたような作品だろうか。いずれにせよ、こうした試みがこの作品を引き立たせているとは言い難い。登場人物の行動などは、ロバート・アルトマン監督の『ザ・プレイヤー』、フランソワ・トリュフォー『アデルの恋の物語』、ルキノ・ビスコンティの『ベニスに死す』などのキャラクターをパロっているので、これが判る人は悦にいることができると思うが、典拠を知らずにこの映画を観た人はどのようにこの映画を観るのだろう。また彼らの特徴も取り入れて、長回しが多用されている。これは臨場感や緊張感を持続する効果が期待されるが、この映画では逆に締まりのない印象を与えている。ある意味でこうした学生たちの生ぬるい感じは何となく時代の空気を感じさせるものの、最後の撮影と実際の映像が重なるシーン以外は特筆すべき点はないように思えた。いかにも大学らしい部活動を活発にやっているような雰囲気をつくろうとあちこちに練習に励む学生のカットを入れるが、逆に不自然な印象を受けてしまうし、学生たちの台詞もあまりリアルさを感じがしなかった。全体的にずっと下手な芝居を見せられている気分になり、「殺人の衝動と倫理」や「不条理殺人」に深い内省を促すようなデキでになっていなかったように思う。