13 janvier 2008 

Match point:films

Woody ALLEN監督のMATCH POINTを観た。
プロテニス界から引退したChrisはテニスコートの専属コーチになる。ほどなく、とある青年が彼の生徒となるが、レッスン後のおしゃべりのなかでオペラの話題をふったことで、翌日のオペラ鑑賞に誘われることに・・・。
 石川達三の『青春の蹉跌』のような作品。Chrisはテニスのコーチを始めてすぐに大金持ちの御曹司と知り合い、その御曹司の妹に気に入られ、その父の大企業への就職と役職をもゲット。しかし、御曹司の婚約者Nolaに恋をしてしまったばかりに、彼は窮地に陥る・・・。
 ストーリーを追うと、とんとん拍子の超ラッキーな強運の持ち主のようにみえるが、Chrisはなぜか終始、幸せにみえない。上流社会というのは思ったよりも柵の多い、面倒なものなのかも知れない。身につけるもの、口にするものは超一流、自分専用の運転手付の車で移動するような生活をしばらく送ってしまうと、それは麻薬中毒になってしまったように離れられなくなる。しかも、その生活は危ういもので、妻と離婚することになれば、全てを失いかねないもの。彼への嫌疑を麻薬常習者がかぶることになるのは、偶然ではないように思える。
 みどころはラスト・シーン。「検閲」の厳しい中国なら決して、あのような結果にはならないだろうし、中国では上映されることはないだろう。ラストがChrisにとって最善であったのかは、判らない。彼は今後の人生において罪の意識に苛まれるであろうし、絶対に人に隠しておかなければならないことがある重圧は計り知れないだろう。果たして、彼は強運だったのだろうか?それは判らない。

12 janvier 2008 

釣りバカ日誌17:films

朝原雄三監督の『釣りバカ日誌17 あとは能登なれ ハマとなれ!』を観た。
 お正月にテレビでやっていた一本。実は『釣りバカ日誌』シリーズはこれまで一本も観たことがなかったが、結構、面白かった。特にハマちゃんのお気楽ぶりには、ほのぼのさせられた。ハマちゃんの人生を楽しむ姿勢は素晴らしい!ハマちゃんのような存在はやはり組織には必要だと思う。今回は能登が舞台ということで輪島塗の製造工程が説明されており、地元のものながら、あれだけの手間暇かけて作られる高価なものだとは知らなかった。また、道場六三郎やダンディ坂野といった石川県出身の著名人(?)もチョイ役で出演していたのには、笑った。

06 janvier 2008 

Il est noir ou blanc?:journal

 アメリカ大統領選の予備選挙。ニュースでは「黒人初の大統領を目指すオバマ候補が・・・」という出だしてオバマ候補が紹介される。wikipediaでちょっとみたのだが、以下のようにあった。「父親はケニア生まれのイスラム教徒であり、母親はアメリカカンザス州出身のスウェーデン系白人労働者一家の生まれである。」
 ふと疑問に思う。オバマ候補の肌の色を真っ先に引き合いに出すなら、なぜ「黒人と白人のハーフ」と言わず、「黒人」というのだろう?母親が白人(それもスゥェーデンなら相当白い)なら、なぜ「白人」とは言わないのか?このあたりが不思議である。
 そもそも黒人云々言い出すからおかしなことになる。いい加減に肌の色を云々するのはもうやめようじゃないか。
 それはともかく、昨日放映していた『史上空前!! 笑いの祭典 ザ・ドリームマッチ』は面白かった。昨今は中堅の域に達してしまった芸人は司会にうつつを抜かしてネタを殆どやらないのであるが、即興で作った割には面白かった。爆笑したのはホリケンと蛍原コンビと、千原Jrと天野コンビ。案外つまらなかったのは松本と千原シニアのコンビ。うまいんだけど、笑えなかった。

04 janvier 2008 

La Sconosciuta:films

Giuseppe Tornatore監督のLa Sconosciutaを観た。
ウクライナからやってきた美しい女性Irena。彼女は
極めて周到に、時には危ない橋を渡りつつ何とかしてAdakel一家の家政婦になるよう画策する。そして、ようやくその念願がかなうが・・・。
 サスペンスとしては非常によくできた作品。時折、Irenaのflashbackによって彼女の身に起こったことが示されるが、それが明らかになった時はその悲惨さ、過酷さに驚いた。劇中のIrenaという女性はヨーロッパの暗部を一身に背負ったような存在だ。東欧諸国から西欧に売られてくる娼婦の問題、養子ビジネスの問題、国家間の格差の問題、移民の問題・・・。『セックス・トラフィック』や『リリア・フォーエバー』でも描かれたように、今も東欧の女性が西欧で性労働に従事させられるという現実がある。これに加えて、養子が多いヨーロッパやアメリカでは養子仲介がビジネスとして成立するという事情がある。当然、クリーンなものばかりではないのであろう。映画で描かれているような方法が実際に行われているのかは判らないが、あり得るかもしれないと思わせる社会状況がヨーロッパには、ある。監督にラストは言うなと口止めされているので、これ以上は言えない。
 それにしても「黒カビ」と言われる男の演技はド迫力だ。劇中では「どうして黒カビと呼ばれるのか」という問いに対する答えはないが、観ていれば判る。どれだけ消そうとしてもビッシリ根を張るカビのようになかなか離れない。やややりすぎの感もあったが、分かりやすい刺激に慣れた向きには受けるであろう。
 最後にTornatore監督について、一言。『マレーナ』以降、約6年のブランクの後に本作を発表したのであるが、この監督はもう『ニュー・シネマ・パラダイス』を撮った頃には戻れないことを、確信した。今回は社会派的なスタイルを出したかったのだろうが、それは成功しているとは言い難い。それは致し方ないことである。残念ではあるが。
 邦題は「題名のない子守唄」。この題名からEnnio Morriconeの音楽を全面に出して内容の激しさをオブラートに包みたいという配給側の作為が見え隠れする。原題は「不遇な女」とでも訳せばいいのだろうか。

03 janvier 2008 

au matin félicité:journal

 予定のない一日。朝寝坊。Nara LeãoのBossa Nova。Esprit de noëlで淹れるロイヤル・ミルクティー。ガーリック・トースト。そして、青色の空。こんな日はシーツでも洗って過ごそうか。

 

Une Aventure:films

Xavier Giannoli監督のUne Aventureを観た。
幼なじみの恋人とともにパリに引越をしてきたJulienはある夜、アパルトマンの前でずぶ濡れで街を歩き回る女性をみかける。また別の雨の夜、Julienは怪我を負って歩き回る彼女をみかけ、彼女の部屋にまで追いかけてしまう・・・。その後、Julienは出会っ彼女Gabrielが夢遊病であることを知る。
 夢遊病の重篤な状況というのは、自傷行為にまで及ぶものなのか。Gabrielは実業家の愛人として息子とともに裕福な生活を送っていたが、満たされない生活を送っている。男には家庭があり、夜には必ず帰ってしまう。JulienはGabrielからどうしても目が離せず、彼女のことが気になってしょうがない。そしてどうにかして彼女を助けようとするのだが、彼女の欠落感は埋めらない。そして、彼女の症状は次第に進行していく。きっと、Gabrielは愛人の男を愛していたのだろう。男は成り上がりの薄っぺらい人間にみえるのだが、彼女は周りが思っている以上に、男に執着していたのだろう。これが恋愛の不思議。最初と最後はJulienの彼女に狂言回し役を与えるのだが、この物語は基本的にJulienを通して、Gabrielを描いている。Julienはただ、彼女を見る役割を与えられる。彼がビデオテックに勤務していることは象徴的である。
 サスペンス・テイストの作品になっているが、邦題は何故か『情痴アヴァンチュール』。日本で公開されるフランス映画はどうしてわざわざ性愛を連想させるような題名にするのだろう?
 主演のLudivine Sagnierが演じる女性はいつも欠落感を抱えている。美しく魅力的なのだが、不幸。まあ、多くの美人というのは周りが思うほど、幸福ではないのかもしれないが・・・。

01 janvier 2008 

Lasse Hallström監督のUn Unfinished Lifeを観た。
 暴力癖のある彼氏から娘ともども逃げたJean。彼女は娘の祖父であるEinarの牧場に赴く。そこには、Einarと熊に襲われて障害を負った親友Mitchが住んでいた。Einarは息子の嫁であるJeanを快く思っていなかった。なぜなら、Jeanが運転する車に同乗したために息子が死んだからだ。しかし、亡き息子の一粒種を放ってはおけず、彼女たちを匿うことに。
 心や体に傷を抱えた者たちの、再生と恕しを描いた作品。この登場人物たちはみな、傷を負っている。Jeanは自分の居眠り運転で夫を亡くし、新しい恋人には暴力を振るわれて行き場がない。Einarは自分が酔っぱらっている最中に親友が熊に襲われ、彼を助けられなかったことをずっと悔やみ、同時に息子の死から立ち直っていない。Mitchは寝たきりで親友の手助けなしでは生きてはいけない。特にJeanとMitchは被害者と加害者の両方の痛みを抱えている。だが、お互いに助け合う日常生活を送るなかで、彼らは癒され、再生していく。大きな熊が彼らの過去の象徴として描かれており、最初は友人の敵として熊を殺そうとするEinarも、ラストでは熊を大自然に逃す手助けをする。Jeanが毎日夫の死を後悔する日々を送っていることを知り、Einarは次第に彼女を許していく。小さな娘も大人たちの心の再生とともに、着実に成長していく。
 『シッピング・ニュース』に似たテイスト。いい作品であることは確かなのだが、何か物足りない。予定調和的な作品だからであろうか。型どおりのヒューマンドラマ、といったら貶しすぎだろうか。ハリウッドでの活躍が長くなってしまったからだろうか、うーん・・・。邦題は『アンフィニッシュ・ライフ』。

 

mes résolutions 2008:journal

一年の計は元旦にあり、と言われます。ということで2008年の誓い。
  • 1,体重を5kg減らして、キープする。
  • 2,パラグライダーで空を飛ぶ。
  • 3,浪費やめ、本当に好きなモノだけ買う。
  • 4,ヘルシオでできる料理の数増やす。
  • 5,一本は論文を書く。とりあえず。
  • 6,200本!映画は絶対観なければ。
  • 7,各部屋の整理と整頓、怠らず。
  • 8,我が儘なお天気屋とは付き合わない。
  • 9,自分を追い込んで、プレッシャー与えて、自分を忙しくして、それが自分を高める!と、勘違いしない。
  • 10,楽しもう、仕事と人のつながりを。(みんな、よろしくね!)