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03 janvier 2007 

Schultze gets the Blues:films

Michael Schorr監督の"Schultze gets the Blues"を観た。
旧東独の鉱山で働いてきたシュルツェは定年を迎え、無為に過ごしていた。若者からは「ああはなりたくない」などとささやかれる。一人暮らしの彼の唯一の趣味は、アコーディオン演奏。普段はポルカを演奏していたが、ある夜、ラジオで聴いたブルースの旋律が頭から離れなくなってしまった・・・。
 シュルツェがラジオで耳にしたメロディはザイデコと呼ばれるルイジアナ州南部の音楽。これがなかなかノリがいい。しかし、彼が街の人々の前でそれを演奏した時は、黒人音楽だ!と罵声が飛ぶ。そうした保守的な土地柄で肩身の狭い想いをしてしまう。
 この映画、主人公のシュルツェがとにかくコミカルでかわいい。コロンとした体型は観ているだけで癒し系の雰囲気を醸し出す。シュルツェがアメリカに行っても結構、珍道中で、殆ど英語が話せない彼は帽子を持ち上げて「シュルツェです」としか言えない。しかし、偶然に出会った人々に助けられ、これがほんわかした気持ちにさせてくれる。
 老後の人生をどのように生きるべきか。「老後」として想定された時間が長くなってしまった今日では深刻な問題である。特に「幸せ」に対するイメージが極めて貧困になりつつある現在、問題の深刻さの度合いはより深まっていると言えよう。この映画を観る限り、老後は退屈と社会の冷たい視線と健康不安との戦いである。さらに付け加えるなら孤独感もあろうか。翻れば労働というのは生活の維持だけではなく、精神の安定や日々の充実感の基礎となっていることが分かる。ほのぼのとしたいい映画だが、日本では劇場未公開なのが惜しまれる。邦題は『シュルツェ、ブルースへの旅立ち』