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10 janvier 2007 

花よりもなほ:films

是枝裕和監督の『花よりもなほ』を観た。
殺されてしまった父の無念を晴らすため、敵討ちを探しに江戸へ上京してきた若い侍、青木宗左衛門。しかし、彼の腕前はからっきしダメ。仇討ちの機会をうかがいながら汚い長屋で暮らす歳月の中で、仇討ちそのものの意味を問い直してゆく。
 時代劇というジャンルはあまり好きなではないので、期待していなかったが、すごくいい作品だと思った。この作品を観る前はV6の岡田が出ているぐらいしか知らなかったが(彼はこの作品で単なるアイドルから脱皮した)、観てみたら凄い、凄い。個性的で、豪華で、実力のある役者が勢揃いであった。なかでも浅野忠信はやはり存在感が違う。近頃、映画によく出演しているキム兄や古田新太はいい味を出していたし、宮沢りえ、加瀬亮、夏川結衣のキャラクターも際だっていた。しかし、現代語風の台詞回しが随所にみられるところが、興ざめするところであったが・・・。
 最初は是枝が何故時代劇を?と疑問に思っていたが、この映画をみるとこうした時代を選ぶことの必然性や是枝の問題意識というのがはっきりと伝わってきた。今もなお世界的に巻き起こっている怨念や報復の連鎖をどう食い止めるのか?日本という舞台でこうした問題意識を表出するにはどうすればいいのか?仇討ちが半ば社会のシステムに組み込まれている時代でなければ、日本でのリアリティを獲得できないと監督が感じたからこそ、この時代を選んだのではなかろうか。流石、是枝!と快哉を叫びたい気分であった。
 さて、話題の『武士の一分』はどうなのだろう?やっぱり「男」のプライドに拘るのだろうか?