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04 janvier 2007 

EDGES OF THE LORD:films

Yurek Bogayevicz監督の"EDGES OF THE LORD"を観た。
1942年秋。ポーランドのクラクフ。11歳のユダヤ人少年ロメックがナチスの手から逃れるためにポーランドの農村に一人かくまわれる。ロメックは最初は家の息子二人とうまくいかないが次第に関係を築いていく。ある日、一家の父親が豚を売りに行った時に殺されてしまう。父の息子の一人・トロは父親の死後、父の復活を願って自らキリストとして振る舞うようになり、子供たちもキリストごっこをするようになる・・・。
 ポーランドが舞台の物語だが、ポーランド語は一語たりとも使われず、全編英語である。最初、どうしてハリウッドがポーランドのユダヤ人少年を主人公にして物語を作ったのか疑問に思いながら観ていたが、最後にその製作意図が理解できたような気がした。もしかしてアメリカの製作会社はこの物語を通して
キリスト教至上主義を宣伝したかったのではなかろうか?キリストと同一化した男の子がユダヤ人の男の子の身代わりになり、つまりユダヤ人の受難を引き受けるがごとく収容所行きの列車に乗る。そしてユダヤ人のロメックは最後に敬虔な面持ちで聖体受領の儀式に参加する。考えてみればユダヤ人も多く、カトリック教徒が圧倒的な多数を占める宗教国家・アメリカでは好まれやすいストーリー構成になっている。物語自体は子供の世界を描き、感動的な演出をしているが、一方でアメリカの映画製作会社は他国の戦争の不幸でも何でも金儲けの道具にしてしまうといった気持ちがぬぐえない。ポーランド人、あるいはアメリカに在住していないユダヤ人ならこの映画をどう観るのだろう。性質は異なるが日本や中国の観客が『SAYURI』を観たのと同じような違和感を抱いたのではないだろうか。
 主演のOsment君はあの年齢で既に名優である。難しい役所を見事に演じていた。その他の子供たちも熱演していた。その点は評価したい。

 と ころで、映画の冒頭のシーンはポーランドのクラクフ。ロメックの父親は「教授」と言われていたのでヤギェウォ大学の教授なのだろう。ヤギェウォ大学はコペ ルニクスやヨハネ・パウロ二世の出身大学である。この点にあえて言及するのは以前、この大学所蔵の資料を使わせてもらった縁があるからである。今夏、この 大学を訪れることになるが、歴史の長いキャンパスを歩く日が楽しみである。
。原題は「神の端しっこ」(聖体受領のパンをくりぬいた時にできる余りの部分が題名のもとになっているのだろう。ラストの聖体受領のシーンでも実際にロメックは端っこを与えられた)。邦題は『ぼくの神さま』