« Home | 花よりもなほ:films » | FEVER PITCH:films » | CINEMANIA:films » | Crimson Gold:films » | EDGES OF THE LORD:films » | Schultze gets the Blues:films » | Tournesol:films » | Kukushka:films » | Mademoiselle:films » | les films de l'anée:films » 

11 janvier 2007 

AMERICAN SPLENDOR:films

Shari Springer Berman・Robert Pulcini監督のAMERICAN SPLENDORを観た。
 オハイオ州クリーブランドの病院で書類整理係として働くハービー・ピーカー冴えない日々を送っている。そんな彼がある日、
友人に作画を頼み、自分の日常をコミックにした”AMERICAN SPLENDOR”を刊行し、評判を得るが・・・。
 この原作は読んだことはなかったが、劇中に挿入されるカットを観ているとナンセンスな部類に入るのだろう。最近はあまり読まなくなったが昔からナンセンスなマンガが好きだ。以前はよく『じみへん』などを読んでいた。虚を突く発想に苦笑することも多かった。この映画はハービー・パーカーという役柄を、マンガ”AMERICAN SPLENDOR”のバーチャルな主人公、俳優が演じる再現された主人公と本人のインタビュー(?)という3者が演じている。また、マンガに出てくる変わったキャラクターも本人が出ていたりするので、演技が決して誇張でないことに笑ってしまう。
 映画の冒頭で仮装した子供たちが家々を回ってお菓子をもらうシーンがある。他の子供はスーパーマンの衣装を付けているのに、普通の恰好をして「自分はハービー・パーカー」と言う男の子は、家のオバサンにそんなの知らない、と言われてしまう。子供には夢を、男はヒーローに、という社会の願望が見え隠れしている。ハービー・パーカーのマンガもこの映画と同様、一貫して冴えない男を描くが、夢がなくても、栄光が待ってなくても、英雄にならなくても、超リッチにならなくてもいいじゃないかと思う。先日、「お兄ちゃんには夢がない」となじられた男が妹を惨殺した事件があったが、理由はこの言葉だけではないにしろ、夢ごときにプレッシャーを感じる必要はない、と思う。
また、この作品は背景に流れるジャズの選曲がセンスがいい。まあそれも主人公がジャズ・レコードのマニアだった訳だから、選曲には十分にコダワリをもっていたことが想像される。