Lasse Hallström監督のUn Unfinished Lifeを観た。暴力癖のある彼氏から娘ともども逃げたJean。彼女は娘の祖父であるEinarの牧場に赴く。そこには、Einarと熊に襲われて障害を負った親友Mitchが住んでいた。Einarは息子の嫁であるJeanを快く思っていなかった。なぜなら、Jeanが運転する車に同乗したために息子が死んだからだ。しかし、亡き息子の一粒種を放ってはおけず、彼女たちを匿うことに。
心や体に傷を抱えた者たちの、再生と恕しを描いた作品。この登場人物たちはみな、傷を負っている。Jeanは自分の居眠り運転で夫を亡くし、新しい恋人には暴力を振るわれて行き場がない。Einarは自分が酔っぱらっている最中に親友が熊に襲われ、彼を助けられなかったことをずっと悔やみ、同時に息子の死から立ち直っていない。Mitchは寝たきりで親友の手助けなしでは生きてはいけない。特にJeanとMitchは被害者と加害者の両方の痛みを抱えている。だが、お互いに助け合う日常生活を送るなかで、彼らは癒され、再生していく。大きな熊が彼らの過去の象徴として描かれており、最初は友人の敵として熊を殺そうとするEinarも、ラストでは熊を大自然に逃す手助けをする。Jeanが毎日夫の死を後悔する日々を送っていることを知り、Einarは次第に彼女を許していく。小さな娘も大人たちの心の再生とともに、着実に成長していく。
『シッピング・ニュース』に似たテイスト。いい作品であることは確かなのだが、何か物足りない。予定調和的な作品だからであろうか。型どおりのヒューマンドラマ、といったら貶しすぎだろうか。ハリウッドでの活躍が長くなってしまったからだろうか、うーん・・・。邦題は『アンフィニッシュ・ライフ』。
