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25 décembre 2007 

赤ひげ:films

黒澤明監督の『赤ひげ』を観た。
長崎でオランダ医学を学んだ保本は、「赤ひげ先生」と呼ばれる医師の療養所でインターンをすることになった。しかし、エリートの彼は無骨な「赤ひげ」の方針に馴染めない。しかし、「赤ひげ」を医師として、人間として尊敬し始めたことで彼のなかに変化が兆してくる・・・。
 不当に利益を得ているものからはふんだくり、貧しい市井の者からは金はとらない医師・赤ひげ。そのストイックな態度と患者の人生に寄り添う姿勢に懐の大きさを感じる。3分診療で流れ作業のように診察する現代と比較してしまい、フィクションであることを忘れてこの作品に医療の理想を夢みてしまう。無知と貧困、この二つが病気の敵であることは、今も変わらない。だが、教師に全人格的な奉仕を求めるのが困難であるのと同様、医師の理想として赤ひげを持ち上げるのは、現代ではやはり無理があるだろう。残念なことなのだが。
 ここ最近、『生きる』『七人の侍』『酔いどれ天使』『赤ひげ』とみてきたが、黒澤は、格好いい男を描くのが絶妙にうまい。主人公は渋い!渋すぎる!思わず、「男」の理想をそこにみてしまう。
 しかし、ふと不思議に思うこともある。黒澤作品に出てくる「男」には何故か奥さんがいない。みーんな独身だ。『七人の侍』の勘兵衛たち然り、『赤ひげ』然り、『酔いどれ天使』の真田然り、『生きる』の渡辺も!(これは死別)。これが現代だったら、「あんな立派な人なのに、何でなんだろ〜ねぇ〜?」と不思議がられるであろう。これまで観た作品のなかでは女性との付き合いを感じさせるキャラクターは『素晴らしき日曜日』の彼氏など、いずれも「若い」キャラクターのみ。一体、これは何なのだろうか。
 それはともかく、trivialな話を一つ。Quentin Tarantino監督のKILL BILL 2にパイ・メイというカンフーの達人が出てくる。彼は長い髭をなでるのが癖なのだが、この仕草は赤ひげへのオマージュだったことがこの映画で判明した。