« Home | C'est toujours la même ritournelle! » | Du Levande:journal » | soutiens-gorge:journal » | Histoire régionale:journal » | association des camarades:journal » | Thé oulong mûr :journal » | Pouvoir judiciaire:journal » | CANDY:films » | Un voyage à Formose:journal » | instinct:journal » 

19 novembre 2008 

La Tourneuse de pages:films

Denis Dercourt監督のLa Tourneuse de pagesを観た。
 少女Mélanieはピアニストになるべく音楽学校を受験する。
食肉店を営む両親からは落ちてもピアノを続けることを許されるも、彼女は家庭事情を知ってか背水の陣で臨む。
 彼女の演奏途中、審査員の一人である著名なピアニストArianeがファンからのサインを書き始める。それをみて、Mélanieは心乱され、演奏は台無しになってしまう。誠に少女らしい動揺であるが、言い訳は許されない。結局、彼女は涙をのむ。 
 長じて美しい女性になったMélanieは、Arianeの夫の営む法律事務所で見習いをすることになる・・・。
 審査員のArianeにとっては些細な行為が、彼女の全ての希望を奪う復讐を招いてしまう。Mélanieの復讐計画は緻密に計算され、一分の隙も見せない。映画や舞台においても復讐劇を描いた作品は多いが、多くの復讐者が法を犯すことで復讐対象と差し違える可能性があるのに対し、Mélanieは法に触れないラインでArianeを陥れる。それはArianeの試験でのかつての行為が、無神経だが決定的な瑕疵とは認め難いのと相似している

 Mélanieが譜めくりという設定は絶妙。まさに二人の関係を象徴している。ピアニストにとって、譜めくりという存在があれほど大きなものだとは知らなかったが、たとえピアニストが演奏でミスをしても、一般にその咎は譜めくりに向かない。まさにMélanieは譜めくりが微妙にタイミングをずらして演奏を乱すが如く、Arianeの心に浸透し、人生を切り崩していく。
 人を殺したり、暴力をふるうような
犯罪に走らない。それでいて大切なものを確実に潰していく復讐劇。ハリウッドではない、フランス映画らしい作品だ。邦題は『譜めくりの女』。