We don't live here any more:films
John Curran監督のWe don't live here any more.を観た。夫婦ぐるみの付き合いをしている二組の夫婦。夫のJackとHankは大学の同僚。JackはHankの妻Edithと不倫をしている。JackとTerryの夫婦は小さな事でけんかが絶えず、スランプのHankとEdithはどことなくよそよそしい関係。大学の教員といっても二人は40歳前後か。生活は安定しているが、地方の大学で学生との授業も盛り上がりに欠け、刺激的とは言えない日常。妻の二人は専業主婦。子供は小さいが、常に子供の尻を追いかけなければならないほどではない。ただ自然だけがある地域で物語はこれといった大きな事件らしきものがなく、淡々と進んでいく。野心をもって将来を夢見るほど若くはなく、家族も子供も職業も自宅も一通り手に入れてしまい、人生の中だるみともいえる時期の中途半端さがよく表れている。こうしたテイストは好みが分かれるかもしれないが、こうしたリアルさは嫌いではない。ただ、あまりにありがちな設定で、関係も4人で閉じているので、物語の広がりに欠ける。次第にダブル不倫に陥り、何とか元のさやに収まるかと思えたが、最後にEdithは夫に別れを告げる。このラストは実に意味深である。
この映画を観ると、結婚生活の日常は本当に重いと思う。積み重ねた時間は信頼を深めるのか、怨嗟を根付かせるのか・・・。邦題は『夫以外の選択肢』。この題名を付けた時点で論理的にはあたかもNaomi Watt演じるEdithの物語のようになるが、あくまで4人全員が、I don't live here anymoreなのである。
