contribution et fond d'étude
インフルエンザ治療薬「タミフル」と異常行動死の因果関係を調べている厚生労働省研究班主任研究者の国・公立大教授の講座が、タミフルの輸入販売元「中外製薬」から寄付金を受けていたことが「問題」になっている(こちら)。
このニュースに接したとき、一般の人はこの教員をなんて奴なんだ、と思うかも知れないと思った。そして実際にそうした論調でテレビや新聞、ブログでコメントされている。しかし、僕はやや違った印象をもっている。
これは「産学連携」の名の下に大学が企業から研究資金を集めることの大きな弊害である。その昔、大学が産学連携を否定していたのは、連携することで研究の独立性が損なわれることの懸念があったからである(実際に戦時中は大学の研究が植民地支配や戦争に大きく「貢献」した)。しかし、独立法人化後の現在では大学は外部資金を獲得しなければ研究ができなくなるほどになっているので、大学は研究資金や寄付金を企業などから獲得するよう教員の尻を激しく鞭打っている。そして、外部資金を獲得した「いい教員」には査定でも高く評価されるようなシステムになっている。逆に科研費という外部資金の申請をしていない教員には研究費を減額するということも実際に行われ、私など文系学部の年間研究費は25万円足らずといった状況である。
一般の感覚からすると年間25万を多いとみるか少ないとみるかは議論が分かれるかもしれない。考えてほしい。月2万円である。子供の学習塾の費用にも満たない額である。しかも、25万円には沖縄から本土への出張費(飛行機代+宿泊費+日当)も含まれる。一回、学会に出張したらその3分の1はなくなるのである。外部資金がとれなければ研究は自腹。これが国立大学法人の研究費の実態である。
さて、先の寄付金のニュースに戻ろう。文系・理系を問わず、日本のほぼ全ての国立大学法人は教員に外部から研究資金を獲得するよう「脅迫に近い行為」を行っている。昔から医学の世界は製薬会社との癒着が懸念されているので、こうした疑いが生じても仕方がない。だが、研究の成果を企業に不利にならないようにしていると疑われるような、ともすると痛くもない腹を探られるように追い込んでいるのは現在の国や大学のあり方の「成果」でもある。そうした状況があるなかでの、このニュースなのである。「そりゃないよー」と思った研究者も多いのではないか。もちろん、外部資金を取っているなら関連の委員会は辞退するというのが筋であろう。問題があるとすればこの点である。しかし、専門性が高く、狭い医学の分野で、すぐに取り替え可能な教員がいたのだろうか?
これと類似した例を挙げよう。スポンサーからの広告費で成り立っている民放テレビ局と国の税金と国民(とそれ以外の人)からの受信料で成り立っているNHK。これが独立法人化は全てが民放になってしまったようなものである。NHKがなくなることの問題点はNHKを通じてご存知であろう。
しかし、NHKにも問題がある。なぜなら、NHKの予算は国会の承認を得て成立するものなので、国会議員の批判はNHKは極力避けるし、「慰安婦関連の番組の内容を改変せよ」という報道の中立性を損なう申し出も受け入れなければ、予算が国会を通らないかもしれないとNHK首脳は判断するだろう。NHKも中立ではない。この点、イギリスBBCとは異なる。
このニュースに接したとき、一般の人はこの教員をなんて奴なんだ、と思うかも知れないと思った。そして実際にそうした論調でテレビや新聞、ブログでコメントされている。しかし、僕はやや違った印象をもっている。
これは「産学連携」の名の下に大学が企業から研究資金を集めることの大きな弊害である。その昔、大学が産学連携を否定していたのは、連携することで研究の独立性が損なわれることの懸念があったからである(実際に戦時中は大学の研究が植民地支配や戦争に大きく「貢献」した)。しかし、独立法人化後の現在では大学は外部資金を獲得しなければ研究ができなくなるほどになっているので、大学は研究資金や寄付金を企業などから獲得するよう教員の尻を激しく鞭打っている。そして、外部資金を獲得した「いい教員」には査定でも高く評価されるようなシステムになっている。逆に科研費という外部資金の申請をしていない教員には研究費を減額するということも実際に行われ、私など文系学部の年間研究費は25万円足らずといった状況である。
一般の感覚からすると年間25万を多いとみるか少ないとみるかは議論が分かれるかもしれない。考えてほしい。月2万円である。子供の学習塾の費用にも満たない額である。しかも、25万円には沖縄から本土への出張費(飛行機代+宿泊費+日当)も含まれる。一回、学会に出張したらその3分の1はなくなるのである。外部資金がとれなければ研究は自腹。これが国立大学法人の研究費の実態である。
さて、先の寄付金のニュースに戻ろう。文系・理系を問わず、日本のほぼ全ての国立大学法人は教員に外部から研究資金を獲得するよう「脅迫に近い行為」を行っている。昔から医学の世界は製薬会社との癒着が懸念されているので、こうした疑いが生じても仕方がない。だが、研究の成果を企業に不利にならないようにしていると疑われるような、ともすると痛くもない腹を探られるように追い込んでいるのは現在の国や大学のあり方の「成果」でもある。そうした状況があるなかでの、このニュースなのである。「そりゃないよー」と思った研究者も多いのではないか。もちろん、外部資金を取っているなら関連の委員会は辞退するというのが筋であろう。問題があるとすればこの点である。しかし、専門性が高く、狭い医学の分野で、すぐに取り替え可能な教員がいたのだろうか?
これと類似した例を挙げよう。スポンサーからの広告費で成り立っている民放テレビ局と国の税金と国民(とそれ以外の人)からの受信料で成り立っているNHK。これが独立法人化は全てが民放になってしまったようなものである。NHKがなくなることの問題点はNHKを通じてご存知であろう。
しかし、NHKにも問題がある。なぜなら、NHKの予算は国会の承認を得て成立するものなので、国会議員の批判はNHKは極力避けるし、「慰安婦関連の番組の内容を改変せよ」という報道の中立性を損なう申し出も受け入れなければ、予算が国会を通らないかもしれないとNHK首脳は判断するだろう。NHKも中立ではない。この点、イギリスBBCとは異なる。
