UMINEKO:film
森田芳光監督の『海猫』を観た。銀行で働くロシアと日本のハーフである薫は、無骨な漁師の邦一のもとに嫁ぐ。家業を手伝い、漁師の一家になんとか溶け込もうとする。しかし、次第に夫の弟である広次に惹かれていく。
田舎町の閉塞感が画面から漂ってくるようで、嫁としてはかなりツライ環境。しかも、夫が看護婦と浮気をしているとなれば、嫁は単なる「従業員」となってしまう。薫がだんだん可哀想な状況になっていくのをみるうちに、こんなだったら漁村の嫁不足は必然だなーと全然関係ないことを思いながら観た。薫が夫の弟に惹かれていくのも、セックスシーンをみていれば必然だと思う。どんな台詞よりも雄弁である。そもそも、薫はどうして兄と結婚したのか?そこには彼女の主体性の欠如と見通しの甘さがあったのだろうが、自己評価が低く、自分に自信の持てない彼女自身の性格が災いしているように思う。伊東美咲は彼女なりに頑張っていたと思う。彼女自身はこの作品で女優としてステップ・アップしたかったのではないだろうか?しかし、彼女は良くも悪しくも売れっ子である。思い切った演技をするには制約が多かったのだろうか?もしそうなら気の毒な話である。演技自体は局面、局面でぎこちなさと不自然さが残る。今後に期待したい。
