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23 septembre 2006 

LITTLE MISS SUNSHINE:films

Jonathan Dayton, Valerie Faris監督のLittle Miss Sunshineを観た。ヘロイン中毒の祖父、その息子でパッとしないコンサルタントの父、ヒステリックな母、ゲイで失恋の末に大学の職を追われて自殺未遂した母の弟、ニーチェを読んでパイロットになるまで口をきかないことを誓った兄、美少女コンテストで優勝することを夢見る妹。そんな相当変わった一家が美少女コンテストの予選に通ってしまった娘のためにおんぼろ車でカリフォルニアに行くロード・ムービー。
 笑いと哀しみと最後はほのぼのと温かい気持ちになる作品。困難に出会うことで家族が思いやり、次第にまとまっていく。日本でもよく言われる「勝ち組」、「負け組」。単純な二項対立がこの映画でも用いられていたが、なーんだこの言葉もアメリカのコピーなんだと思った。紆余曲折の末にようやくたどり着いた美少女コンテスト。わざとそのように描いているのだろうが、年端もいかない少女たちにベタベタと化粧を施し、prostitute顔負けの蠱惑的な笑顔を振りまくように親たちが仕向ける、そんなグロテスクな模様に唖然としてしまう。子どもは無垢な存在だとは思わないが、ここまで大人の人工的な美を当てはめるメンタリティにアメリカの歪んだ欲望を垣間見た思いであった。折しも十数年前の美少女コンテスト優勝者殺害事件の容疑者が逮捕されたという話題がまたぞろ日本のメディアを騒がせた時(製作時期からこのことは意図してなかったであろう)だったので複雑な心境になる。
 しかし、この家族は意図せずこうした欺瞞的なステージをぶち壊してしまう。これがなかなか痛快であった。ぼろくそワーゲンをみんなで押して、エンジンがかかった車に乗り込むという象徴的なシーンの着想は素晴らしい。お薦め。