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28 avril 2008 

No Country for old men:films

Ethan Coen & Joel Coen監督のNo Country for Old Menを観た。
 リタイアした元軍人がコヨーテ狩りの時に偶然大金を拾ってしまう。その後、その大金を狙うおかっぱ頭の殺し屋に追われることに・・・。
 物語は祖父の代から保安官をつとめる男の独白から始まる。祖父の代には保安官は拳銃さえもっていなかった。しかし父は殉職。孫の世代である今は、保安官が拳銃を所持しないことが考えられない世の中になってしまった。
 この物語は大金を持って逃げる男とそれを追いながら次々に人を殺していく殺し屋の話が軸となっている。この死と隣り合わせの追い、追われる関係が非常にスリリングになっている。時折入る冗談もなかなかいい。
 しかし、この物語の底流にはもう誰にもとめられなくなった時代の変化に対する哀惜がある。金と麻薬。そのためなら人の命さえ惜しくもなくなってしまったこと。動機も不明な不可解な殺人事件が増えてしまったこと。大金のために若い妻を見捨てるようなことをしてしまうこと。自分の服を売る若者のように、人助けと金のやりとりを両天秤にかけること。こうした弱肉強食の社会は、まさに題名通りの「年寄りが生きていける国ではない」のである。それはラストに近づく、下半身不随の男の台詞に凝縮されている。もう時代の変化は、誰にも止められないのだ。なんでこんな世の中になってしまったんだろな・・・という諦めにも似た後悔が滲んでくる。
 翻って、日本はGood Country for Old Menなのだろうか?年金もしっかり振り込まれ、何ら生活に困らない裕福な人にとってはYesなのだろう。実際に自分に年金が振り込まれていることを理由に国を誇りに思うと述べた人がいる。この方以外の定年退職者の多くも国への誇りを口にする。きっとこの国は老人の住み心地のいい国なのだろう。