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23 septembre 2006 

BREAKFAST ON PLUTO:films

Neil Jordan 監督のBREAKFAST ON PLUTOを観た。
アイルランドの教会の前に捨てられた赤ん坊の遍歴を寓話的に描いた作品。
Kittenの愛の遍歴と人生の居場所探しの旅は事実だけをみると極めて過酷である。しかし、そんな遍歴を寓話的な手法と洒脱なジョークでオブラートに包む手法が素晴らしい。これを支えるのはCillian Murphyの演技であるが、彼の演技が凄い。この作品だけみると自分でもそこまで評価したかは判らないが、カンヌでPalme d'Orを獲得したKen LOACHの作品THE WIND THAT SHAKES THE BARLEY(仮題:麦の穂をゆらす風)と比較するとより彼の演技力の高さ、確かさは明白である。彼はTHE WIND...ではまさにPLUTOとは全く真逆のパーソナリティ、骨太のIRAメンバーを見事に演じきっている。THE WINDはアイルランドの視点から、PLUTOはややイギリス寄りの立場から相前後する時代を描いており、それ故IRAの描き方に関してもかなりの違いが見られる。そうした点でもこの2作品はまさに好対照な作品であるといえよう。併せてご覧になることをお薦めする(THE WINDの日本公開は未定だが)。
 話をPLUTOに戻そう。主人公の「彼」がどうしていつも笑っていなければならなかったのか?その答えを台詞の中に見つけたとき、Kittenの悲哀が差し込むように胸に迫ってくる。アイルランドの教会でKittenの告白を聴いていた神父が、ロンドンの覗き部屋という場所で自らの告白をするという、こうした随所に観られる粋な演出も素晴らしい。映画の最初ではやや抵抗感を感じながらみていた主人公が、映画の最後には愛おしいキャラクターに見えてしまう。お薦め。邦題は『プルートで朝食を』。