Hard Candy:films
14歳の少女Hayleyは出会い系サイトで知り合ったカメラマンJeffと初めて会うことになった。Hayleyによって巧妙に仕組まれたこの出会いが、Jeffを恐怖と絶望のどん底に落とす結果に・・・。
ホラー映画を観客に恐怖心を味わせる映画と定義するなら、この作品はまさにホラー映画だ。世にホラー映画と言われている凡百の映画よりも、ずっと怖い。ほぼ二人の会話のみでストーリーが進行する密室劇だが、飽きさせない・・・どころかHayleyの表現がどぎつすぎて、悪趣味とさえ思える。14歳以下の少女しかナンパしない男も確かに鬼畜なのだが、総体としては子供が一番残酷なんだと思わせるに十分な追い込みようだった。
この映画、リアリティに欠ける点がたくさんある。小柄な女の子が男を椅子に座らせて縛ったり、机の上に立たせて首つり状態にさせているが、いくら眠ったり気絶しているとはいえ、そんな腕力はないだろう。劇中での十四歳という設定さえ怪しいのだが、あまりにも世知に長けすぎているのもやりすぎな感じがしないでもない。
この映画はHayleyの服に表象されているように、グリム童話の赤ずきんちゃんの現代版と言える作品だ。童話の赤ずきんちゃんは、甘い言葉で誘う男には注意しなさいという教訓を与えるものだ。しかし、この作品ではオオカミの方に大きな教訓を与える作りになっている。小さな女の子だと思って侵害していたら、この映画のようになりますよ、と。この作品をみてリアルな戦慄を憶えた男もいただろう。
やや話題がそれるが、一般に異性の好みは千差万別である。年齢、容姿、性格などに関わりなく異性なら誰でも構わないという人は稀である。どういったタイプが好きかということは、人は意識的に選択した結果、そうした好みになっているのだろうか?自分が何かを嗜好する場合、誰しもそれに意識的に、明確に答えられるのだろうか?
それはともかく、この映画のJeffは有り体に言えばロリコンである。こうした嗜好は社会的には断罪されるべき範疇に入るが、彼の嗜好は彼自身の選択の結果なのだろうか?タブーとなっているから、欲望が喚起されるという説明は確かにあり得よう。しかし、それだけでは一面的な「解釈」のような気がする。
これは女性も然りである。ジャニーズの未成年の人気を支えるのは、未成年だけではない。しかし、児童ポルノや児童買売春の被害者の多くが女性であることを考えると犯罪性は圧倒的に低い。やはりこの問題は根深いのだ。
とにかく、この映画の教訓は、赤ずきんちゃんのそれより、よっぽど強烈であることを世の男性諸氏は憶えておいた方がいい。
