« Home | Hard Candy:films » | piston et pot-de-vin » | l'alcool du soir » | Slip et Hideyoshi:journal » | La vie écologique:journal » | 悩む力:journal » | scandale:films » | Conférence au sommet d'Hokkaido:journal » | Fleurs de la semaine:journal » | Paranoid Park:films » 

18 juillet 2008 

l'escroc:journal

 年齢を三十歳も鯖読みしていた女結婚詐欺師の裁判が、宇都宮地方裁判所で開かれたそうだ。
 その被告は今日、70歳の誕生日を迎えるそうだ。犯行当時、自分は40歳代と相手に伝えていたらしい。
 聞くところによると、詐欺師というのは案外、魅力ある人が多いという。人に嫌悪感を抱かれるような向きは詐欺師として生計を立てられない、という説は確かに首肯できる。今回の女性詐欺師も40代の男性に同世代以下と思わせていた。男性には痘痕も靨という側面もあったのかも知れない。しかし、瞞しの話術やテクニックだけではない、女性としての「何か」が男性を強烈に惹き付けていたことは確かだろう。被害男性も「許せないので、ずっと刑務所に入れてほしい」という、詐欺罪では不当に長い懲役を切望している。この憎悪は明らかにかつての愛情のリバウンドである。
 一方で男性が手玉に取られた背景には、愛情ばかりとは言えない側面もあろう。やれ非婚だ、やれ関係が多様化していると言っても、結婚に対する有形無形の圧力は常に社会に瀰漫している。特に年配者ほど、その傾向は強いように思える。そのやわらかな心情というのか、強固な世間体というのか、とにかく男性の「弱み」につけ込んで、カネをふんだくる女性は確かに性悪である。
 ニュースによるとこの詐欺師、実際に夫もいたという。夫は「今度は別れる」と言っていたそうだ。「今度は」ということは、別れようとしたが別れられないという過去があったということである。この言葉から男女の深い淵をのぞき込んだような心境になった。
 今回詐欺にあった男も、夫も、心のなかでは嘲えない。詐欺師の顔を報道で見たときは、噴飯モノだったが。