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26 septembre 2007 

三年身籠もる:films

唯野未歩子監督の三年身籠るを観た。
 冬子は現在妊娠9か月。女系の親族に囲まれて出産を待つ日々。夫が浮気をしているのにも冬子は気付いているが、いずれ終わると思っている。しかし、10月10日を過ぎても出産の気配はない・・・。
 ある女性が3年身籠もるそのプロセスと彼女を取り巻く人間模様を描いた作品。この物語、最初は冗長でやや倦んだが、なかなか興味深かった。
 この物語に出てくる男性は、どこか子供っぽい。冬子の夫も、服を部屋中に脱ぎ散らかしているし、親子ほど年の離れた妹の恋人の産婦人科医師も、若い子のいいなり。メインで出てくる男性はこの二人だけだが、3年を通じて夫は父親になる自覚と、生活者としてのスキルを身につけていく。
 母親は子供がなかなか出産されない状況でも何らパニックになる訳でもなく、それをかえっていいことと考えている。
 この物語、母親の中から出てこない赤児と、母親の共犯関係ともいえる状況が、どこか今の日本の社会のありようを象徴しているのではないか。つまり、社会に出て行かない引きこもりの子供と、敢えてその状態を受け入れる母親、そして自分のことばかりにかまける父親という構図とちょうど相似の関係をなしている。社会の流れや時代がスピーディーになった一方で、人が大人になるためにかかる時間はむしろスローになっている。しからば出産に3年かかる状況や子馬のように生まれてすぐに立ち上がるまで母胎にいる状況が理にかなっているかもしれない。しかし、人間の身体はそんな社会の都合に合わせてできあがっている訳ではない。
 単純ともいえる物語のなかでこうした勝手な妄想を繰り広げられるだけの余地がこの映画にはある。だが、二回観ようとは思わないが・・・・