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18 décembre 2006 

CONFIDENCES TROP INTIMES:films

 Patrice Leconte監督のCONFIDENCES TROP INTIMESを観た。
誰の言葉か忘れたが何かの本に「あなたが女性にもてたいのなら、その女性の話にきちんと耳を傾けることだ」という主旨のことが書かれていた。多少不細工でも、大して収入がなくても、それだけで相手はかなり好感を持つはずであるということも言い添えられていたように思う。
 この映画は既婚女性Annaがカウンセラーの部屋と間違えて隣の税理士の部屋に入ってしまい、その税理士をカウンセラーと間違えて夫婦の秘密を打ち明けてしまうことから始まる。相手が税理士であることが判っても、女性はそのまま男性のもとに通い続け、税理士はそれを受け入れる。ある意味この映画は上記の言葉を裏付けるようなストーリーとなっている。この税理士は清潔で、物腰も丁寧なのだが、何となく爬虫類を思わせるため、決して容姿で女性を引きつけるタイプではないところが配役の妙を感じる。税理士は甘い言葉をかけるわけでもなく、どこかに連れて行く訳でもなく、プレゼントをくれるでもなく、観ているだけでうっとりする容姿でもない。これが誰でも好感をもつキャラクターなら女性が引きつけられる理由が「話を聴くことだけ」だというようには思わないかも知れない。ラストに税理士が自分の言葉を全て覚えていたことを女性が驚きの表情をもって感動するが、話を憶えているということもポイントである。時に女性が相手の記憶に関して執着をみせるが、「話を聴く」だけでは十分条件ではないようである。映画ではラブシーンもなく、触れ合うこともないが二人が惹かれあっているということは十分に伝わってくる。
 この映画はいくつかの意味で、モラルから自由になっている。カウンセラーとクライアントが恋愛関係になるのは現実の世界では御法度である。カウンセリングの関係は特にクライアントが恋愛感情をもちやすい状況にあるため(秘密を打ち明けた相手が重要な相手と錯覚しがちになる)、実際にそうなった場合はカウンセラーのモラルも問われるし、映画なら陳腐に陥る可能性がある。しかし、この二人は通常の関係ではないため、恋愛に発展しても職業モラルは問われない。また、現実のカウンセラーはカウンセリングを通じて職場からの解放に向かうことはないだろうが、この物語では税理士自身も自分に運命づけられた事務所から解放され、光溢れる南仏にAnnaを追っていく。この映画はカウンセラー、クライアント双方の禁忌(あるいは夢想)を暗に実現しているような趣を感じる。この映画にエロティシズムを感じるなら、こうした禁忌の破壊が背景にある。邦題は『親密すぎるうちあけ話』