Dear Frankie:films
Alex Heffes監督のDear Frankieを観た。一人息子Frankieと実母ともに各地を転々とするシングルマザー・Lizzie。定期的に父親からFrankieのもとに手紙が届くが、それを書いていたのは母親のLizzieだった。
DV夫の陰に怯えて男を信じることができなくなっているシングルマザーと父の暴力で難聴になった息子、そして束の間の父親を演じる男の物語。全編を通して、DV夫の存在が喉に引っかかった棘のような緊張感を与えている一方、謎の男がDVで大きな精神的痛手を受け、氷のようになってしまった心をゆっくりと溶かしていく。また、この映画は派手ではないが、映像が美しい。グラスゴーの街並みやフラットの緑色のタイルに代表されるようにブラウンとグリーンの色使いが美しい。錆びた茶色さえも美しく演出しているのが印象的。日常のなかにある色を生かした調和がとれた映像である。
束の間の父親役をGerard Butlerを演じているが、なかなか渋い。『オペラ座の怪人』ではファントム役をやっていたが、顔の半分が仮面に隠れていたので最初は分からなかった。今回の役柄でこんな顔してたんだと改めて知る。プロフィールをみたら、同じ年齢!僕の2ヶ月前に生まれている。あの貫禄というか渋さというのは同じ年には全然見えない。この映画では歌うシーンはなかったが、オペラ座の怪人ではただ一人、歌の吹き替えなしで演じていたので歌唱力は折り紙付き。さらにグラスゴー大学で法律を学び、実際に弁護士をやっていたという。なんと多才な!
ストーリーといい、Gerard Butlerといい、この映画は世のシングルマザーのハートを鷲掴みにするであろう。やや予定調和的だが、優しさに満ちた、いい作品である。
